「アカウントハック、乗っ取りは不正アクセス禁止法違反で逮捕されます。万引き犯レベルではなく、強盗犯レベルの犯罪です。」
それでは、これまでの事例・判例を見て行きましょう。
- 社内権限を使用した不正アクセス 懲役１年６ヶ月 執行猶予３年
- インターネットバンキングなりすまし 懲役８年
関連資料：不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反
「バレるからそれがネットだから」
注意：アカウントハック、乗っ取り等は警察の不正アクセス担当に相談しましょう。国際犯罪の場合は、弁護士に相談しましょう。ワンタイムパスワードを設定していたかいないかは問題ではありません。それは公安委員会（行政委員会）が行っている援助措置のことだからです。不正アクセスしたことが犯罪なのです。
※示談交渉には応じないようにしましょう。なぜ示談交渉を行わない方がよいのか？それを考えるには、応報刑論と目的刑論から考える必要があります。なおかつ犯罪抑止力、、長くなるので省略します。
警察庁、総務省、経済産業省が作成した調査資料をもとに犯罪分析して行きます。
認知の端緒（犯罪の発覚）
・警察活動1,555 件（52.5%）
・利用権者からの届出761 件（25.7%）
検挙した不正アクセス禁止法違反事件の特徴は？
・20～29歳（39.7%）
・14～19歳（23.5%）
不正アクセス行為の手口は？
・利用権者のパスワードの設定・管理の甘さにつけ込んだもの（39.5%）
・他人から入手したもの（23.2%）
・識別符号（ID、パスワード）を知り得る立場にあった元従業員や知人等によるもの（20.5%）
ここで注意しておきたいことが、スパイウェア等のプログラムを使用して識別符号を入手したもの（0.6%）フィッシングサイトにより入手したもの（0.1%）となっていることです。いわゆる想像するハッカーやフィッシングサイトからの手口は、極めて少ないと言うことです。
不正に利用されたサービスは？
・オンラインゲーム・コミュニティサイト（28.5%）
・社員・会員用等の専用サイト（19.2%）
検挙事例は？
- 無職の男(62）は、平成30年11月、インターネットサービスプロバイダの会員サイトに対して、他人のＩＤ・パスワードを使用して不正アクセスし、パスワード等を変更した。平成31年２月、不正アクセス禁止法違反（不正アクセス行為）と私電磁的記録不正作出・同供用で逮捕した。（栃木）
- 外国人留学生の男(27)は、平成30年９月、大手企業の会員サイトに対して、他人のＩＤ・パスワードを使用して不正アクセスし、他人のアカウント保管の換金可能なポイントを自らが作成したアカウントに移動した。平成31年３月、不正アクセス禁止法違反（不正アクセス行為）と電子計算機使用詐欺で逮捕した。（千葉）
- 中国国籍の男(29)は、令和元年７月、不正に取得したＩＤ・パスワードを使用して、コード決済システムに不正アクセスし、コンビニエンスストアにおいて、電子タバコカートリッジを騙し取った。同年10月、不正アクセス禁止法違反（不正アクセス行為）と詐欺罪で逮捕した。（熊本）
- 公務員の男(50)は、平成29年１月から平成31年２月までの間、勤務先の同僚のＩＤ・パスワードを無断で使用し、公務用サーバに不正アクセスし、同サーバ内のデータを不正に入手した。令和元年９月、不正アクセス禁止法違反（不正アクセス行為）で検挙した。（長崎）
- 会社員の男(31)は、令和元年５月、勤務先の同僚のＩＤ・パスワードを無断で使用し、勤務先の福利厚生サイトに不正アクセスした上、同僚のアカウント保管のポイントを使用し、ギフト券を購入した。令和元年11月、不正アクセス禁止法違反（不正アクセス行為）と電子計算機使用詐欺で逮捕した。（静岡）
関連資料：不正アクセス行為の発生状況 - 警察庁
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